ハイドロカルチャーの基本用土!『レカトン(ハイドロボール)』の特徴

この記事では、観葉植物の室内専用育成方法ハイドロカルチャー(水耕栽培すいこうさいばい)に使われる用土「レカトン」について解説します。

室内で土を使わずに植物を育成できるハイドロカルチャーには、土の代わりに使う専用の用土がいくつかあります。それぞれに特徴があるので用途にあった用土を使いましょう。

今回紹介する「レカトン」は、ハイドロカルチャーで育てる用土の中では最も代表的なもので、いろいろな植物に対応できるようにサイズも豊富に揃っています。

ホームセンターの植物コーナーなどハイドロカルチャー用品が置いてあるところには、ほぼ置いてありますので簡単に入手できます。

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「ハイドロボール」や「ハイドロコーン」という呼び名は、レカトンの商品名です。

目次

レカトンとは?

レカトンは粘土を1200度高温で焼いたものです。高温で焼くことで表面に小さな気泡きほうができる(発泡させる)ことから発泡煉石はっぽうれんがと言われ、多孔質たこうしつの軽石のような状態になっています。

発泡煉石の中に空気や水を保持することができるため少量の水でも用土全体に染み渡り、植物の根に適度な水と空気を与え続けることが出来ます。根が完全に水に浸かる状態ではないため根腐れを防ぐことが出来ます。

また、根が栄養を取り込むときに分泌する根酸こんさんを適度に吸収することで、根を活性化させる作用もあります。

根酸は、植物が根っこから出す有機酸のことです。栄養素を土の中から吸収するために根の周囲を根酸によって酸性化し、そのままでは取り込めない鉄分などを溶かして吸収しやすくする働きがあります。
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レカトンは、洗浄することで繰り返し使うことが出来ます。

レカトンの特徴

レカトンは、粘土を1200度もの高温で焼くことで多孔質化した専用用土です。発泡煉瓦とも呼ばれ、レカトン自体には有機物やミネラル分を含まないため、土のように微生物や害虫などの繁殖が抑えられ清潔で衛生的です。

ハイドロカルチャーの植物は、粒同士の隙間に根を伸ばして成長するため、根の細い植物や太い根を持つ植物それぞれにあった用土を選択する必要があります。レカトンは大粒、中粒、小粒と粒の大きさによってサイズ分けされているため、様々な植物に対応することが出来ます。

レカトンの特徴

  • 清潔・衛生的
  • 害虫の繁殖を抑える
  • 過剰分泌された根酸を吸収し植物の根を活性化

レカトンに適した植物

用土を決定する要素は、植物の根の太さや水やりの頻度(水を好むか乾燥を好むか)などがあります。

根が太い植物には、太い根が成長しやすい粒同士の隙間が広い大粒の用土が適しています。逆に根が細い植物には、粒同士の間隔がせまく細い根でもしっかりと用土に着床ちゃくしょうできる小粒の用土が向いています。

根が太い植物に小粒の用土を使うと、粒同士の隙間すきまに根が入り込めず成長をさまたげます。逆に根が細い植物に大粒の用土を使うと、粒同士の隙間が広すぎてスカスカになり、根が用土に着床しにくくなります。植物がしっかり固定できず倒れやすくなり、用土に触れていない部分からは水や肥料も吸収できず、最悪枯れてしまいます。

根の太さによって、粒のサイズを選んであげましょう。

サイズ 大粒 中粒 小粒
適した植物 パキラ・ストレリチア
サンセベリア・クワズイモ
ガジュマルなど
ポトス・モンステラ
コーヒーの木・ドナセラ類
アグラオネマなど
エバーフレッシュ・シダ類
シェフレラ・アイビー
ワイヤープランツなど
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どの植物も小さいうちは根が細いです。成長に合わせて植え替えのタイミングで変えてあげましょう。

レカトンのデメリットと対策

レカトンに限らずハイドロカルチャーの用土全般に言えることですが、水のやりすぎには注意が必要です。

植物を育てるうえで大切なのが、根に水分をあたえつつ空気にふれさせて呼吸させることです。常に水にかっている状態が続くと酸素に触れることが出来ず、根腐れの原因になります。

水が無くなることで根を空気に触れさせて呼吸させることができます。

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水が無くなったら2~3日待って次の水を与えるようにしましょう。

レカトンはある程度根から出る老廃物ろうはいぶつを吸収してくれますが、土と違い老廃物を分解する微生物が繁殖しないため、真夏などは水が痛みやすく根腐れを起こしやすい傾向にあります。

微生物の代わりに老廃物を吸収するイオン交換樹脂やミリオンa(珪酸塩白土けいさんえんはくど)を鉢底に入れておくと、水質を安定させ根腐れを防ぐ効果があります。

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とくにミリオンaは、イオン交換作用のほかハイドロカルチャーで不足しがちなミネラル分も補給できるためおすすめです。

個人的な経験からの印象ですが、レカトンでの育成は、ほかのハイドロカルチャー用の用土と比べると植物の成長が遅いように感じます。日々植物が成長していく様子を楽しみたい場合は、少し不満に思うかもしれません。

大きく育ちすぎると置き場所に困るときや寄植えなどのアレンジを楽しむ場合は、成長が遅いので長いあいだ植え付け時のデザインがキープされるというメリットとなります。

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私はポトスなど伸びるのがとても早い植物に、成長を抑えるために使っています。

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