意外に育つ!ハイドロカルチャー用の用土『木炭』の特徴

この記事では、観葉植物の室内専用育成方法ハイドロカルチャー(水耕栽培すいこうさいばい)に使われる用土「木炭」について解説します。

室内で土を使わずに植物を育成できるハイドロカルチャーには、土の代わりに使う専用の用土がいくつかあります。それぞれに特徴があるので用途にあった用土を使いましょう。

今回紹介する「木炭」には、ほかとは違った独自の特徴があります。

炭だからこその独特な特徴は、ハイドロカルチャーで植物を育てる上で大きなメリットになっています。

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私も普段からよく使うおすすめの用土です。

目次

木炭とは?

文字通り木を燃やした後にできる炭です。備長炭などが有名ですが、ハイドロカルチャーの用土には備長炭などの通常の木炭をくだいただけでは使えません。

通常の木炭は灰分かいぶんが多く含まれています。もともと木の状態のときに含まれていたカリ、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルは、熱で抜けることはありません。それらが灰分として残ってしまうのです。

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灰分は水に溶けると強いアルカリ性になり、植物の根を傷めてしまいます。

土であれば酸やアルカリの作用を和らげる力(緩衝能かんしょうのう)があるため、通常の炭が入ってもあまり影響はありませんが、炭植えのハイドロカルチャーは炭のみを使うため植物へのダメージが心配されます。

ハイドロカルチャー用の木炭は、植物を育てる上で害になる灰分抜きをした製品です。

木炭の特徴

ハイドロカルチャー用の木炭は、南洋広葉樹を焼上げて細かく粉砕ふんさいし植物にとって害になる灰分を抜いて減菌めっきんをした専用用土です。

炭の浄化作用で水腐れしにくく、消臭効果や殺菌作用の効果が高い用土です。また、空気中の有害物質の吸着・脱臭効果やマイナスイオンの放出効果など空気清浄作用も期待できます。

砕いた炭は粒同士の隙間が適度な空間を保つため、根の細い植物だけでなく太い根を持つ植物でも育てることができます。

意外と保水性に優れ、鉢の容量の3〜4分の1ほどの給水で全体に行き渡ります。水を多めにあげてしまっても水腐れしにくいので、雑菌の繁殖が抑えられ根腐れが起きにくい傾向があります。

粒の隙間に水が保持されるので、植物の根が直接水に浸かっている状態になります。水を好む植物が向いています。

POINT

  • 消臭効果
  • 殺菌作用
  • マイナスイオン放出効果

木炭に適した植物

用土を決定する要素は、植物の根の太さや水やりの頻度(水を好むか乾燥を好むか)などがあります。

根が太い植物には、太い根が成長しやすい粒同士の隙間が広めの用土が適しています。水を好む植物には保水能力の高い用土が向いています。

木炭は粒の隙間が適度に空いていて保水力が高いため、根の太さは細くても太くてもOKで、水を好む植物に向いています

水を好む植物

  • 蔓系・・・ポトス・モンステラ・シンゴニウムなど
  • 樹木系・・パキラ・コーヒーの木・エバーフレッシュなど
  • 草葉系・・ドナセラ・テーブルヤシ・アグラオネマ・シダなど
  • 木炭のデメリットと対策

    木炭は見た目通り全体が黒い色をしています。直射日光に当たると光を吸収して熱を持ちやすくなります。

    直射日光の当たる窓際などに長時間置くと水がお湯のように高温になり、植物にダメージを与えてしまいます。
    また、強い光にあたっていると殺菌作用のある炭とはいえ、藻が発生します。

    藻が発生したまま長期間放置すると枯れた藻が腐り、水質が悪化したり害虫が発生するようになります。

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    炭植えに直射日光は大敵です!カーテン越しか室内の奥の方で管理しましょう。

    消臭効果や殺菌作用が高く藻や害虫が発生しにくい木炭ですが、一度藻が発生すると繁殖スピードが早いです。発生させないよう日陰で管理するか、鉢カバーなどで鉢部分に光が当たらないようにしておきましょう。また、発生してしまったら用土を新品と入れ替える植え替えも効果的です。

    taks
    根詰まりなどがないとなかなか植え替えまではしませんが、私の経験では、長くても3年に1度は植え替えをおすすめします。

    3年以上経過すると木炭の消臭効果や浄化作用が、急激におちてくる印象です。

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