室内に土は持ち込まない!ハイドロカルチャーの始め方『必要な道具』

2021年5月4日

この記事では、観葉植物の室内専用育成方法ハイドロカルチャー(水耕栽培すいこうさいばい)の始めるにあたって必要な道具について解説します。

いざ始めてみようと思うと土の鉢植えとは違い、難しく感じるかもしれません。しかしそろえる道具は、土植えと比べて意外と少なくて済みます。

taks
土植えの道具は全く使えないの?

土を使わないというのが大前提ですので、土植え用の穴の空いた鉢と用土は使えません。ハイドロカルチャー専用のものを使います。

この記事では、ハイドロカルチャーを始めるにあたって最低限必要な道具を紹介します。

目次

植え付けに必要な道具

ハイドロカルチャーで植え付けを行うときに必要な道具を紹介します。

容器(鉢)

ハイドロカルチャーで植え付けを行う容器は、土用の鉢とは違い鉢底に穴が空いていない容器を使います。

色や形はどんなものでも構いませんが、普通の植木鉢のような水が浸透しんとうする陶器製とうきせいのものは使えません。ハイドロカルチャーは容器内に水を貯める育成方法ですので、水漏れしない容器が必要です。

私のオススメは透明ポットです。清潔感があり、容器内の水の量のすぐに分かります。ガラス製でも使えますが割れる心配があるため、プラスチック製の透明ポット i-pot90の鉢をオススメします。

用土

ハイドロカルチャーで使われる用土は、専用のものが数種類ありますがどれも「土」ではないため、容器の中で植物を支えるための支持材しじざいと呼ばれています。

土を焼いてレンガのような多孔質たこうしつの粒状にして水をたくわえやすくした、「セラミスグラニュー」や「レカトン」と呼ばれるものがよく知られています。

セラミスグラニューは、ハイドロカルチャー用の支持材の中で最も土に近く、植物がよく育ちます。育成が難しい植物や早く大きく育てたいときにおすすめの支持材です。

taks
私自身も一番良く使う支持材です。

レカトンは、一般的には「ハイドロコーン」や「ハイドロボール」などといった商品名で売られている最も有名な支持材です。ハイドロカルチャーの支持材と言えば、こちらを想像する方も多いのではないでしょうか。

粒の大きさがいくつか用意されていて、植物の根の太さによって最適な大きさを選ぶことが出来ます。セラミスグラニューに比べると植物の成長がゆるやかになります。

taks
寄植よせうえなどの観賞用に、植え付け時の大きさや形を維持したいときにぴったりです。

さらに天然由来の支持材として「木炭」もハイドロカルチャーではよく使われます。通常の木炭では植物にとって害になる成分が含まれているため、直接根が水に触れるハイドロカルチャーには使えません。専用品は植物にとって害になる成分を抜いた製品です。

炭の浄化作用で水や空気をきれいな状態にたもってくれます。

イオン交換樹脂・根腐れ防止剤

植物の根は、呼吸と同じで水分や栄養分を吸収する代わりに老廃物ろうはいぶつを出しています。植物によっては周りの競合植物の成長をおさえる物質を出しているものもあります。ほっておくとそれらの老廃物がまって植物が弱ってしまいます。

イオン交換樹脂や根腐れ防止剤は、老廃物と自身が持っているイオン分子をイオン交換することで分解し、水をきれいな状態に保つ働きがあります。

taks
イオン交換樹脂は効果は絶大ですが寿命が短く、根腐れ防止剤は効果が緩やかですが長く続きます。

おすすめは「ミリオンA」と呼ばれる根腐れ防止剤です。イオン交換で水を綺麗にするだけでなく、多くのミネラル分を含んでいるため植物の細胞を丈夫にしてくれる作用もあります。また、水のphを植物が栄養を最も吸収しやすい弱酸性に維持します。

ハイドロカルチャーにする植物の苗

ハイドロカルチャーに仕立てる植物を入手する方法はいくつかあります。ハイドロカルチャー専用の苗を購入する方法や土植えの植物からハイドロカルチャーにする方法があります。

ハイドロ苗

ハイドロ苗はその名の通りハイドロカルチャーでの育成専用に育てられた苗です。苗床なえどこにはレカトンを使用しており、そのままハイドロカルチャーとして植え付けることが出来ます。

ハイドロ苗は根がレカトン活着かっちゃくしているため、取り除くことが出来ません。無理にがそうとすると根を痛めてしまいます

植物にとって根を痛めることは、枯れる原因にもなります。大きく育った株ならまだ余力がありますが、小さな苗の場合は致命傷になりかねません。

taks
別の支持材で植え付けするときにも苗床のレカトンはつけたまま植え付けます

オアシス苗

オアシス苗は、水を含ませたスポンジのような苗床に植物の根を出させたハイドロカルチャー専用の苗です。

ハイドロ苗と同じように苗床のオアシスをつけたまま植え付ける前提で作られています。スポンジ部分が支持材と保湿力が違い、鉢内の支持材は乾いているのにオアシス部分だけいつまでも濡れている状態となり、根腐れを起こしやすい印象です。

根腐れが気になりオアシスを取り除こうとすると、かなりの手間がかかります。

taks
個人的にはあまりおすすめではありません。

土植えの苗

土植えの植物をハイドロカルチャーにすることも可能です。いくつかの注意する点に気を配ればハイドロカルチャーとして仕立てることが出来ます。

ポイントは、土を残さずきれいに落とすことと水根を出させることです。

taks
土植えの苗を入手する、意外ですがおすすめの場所があります。それは100均です。

100均ダイソーで売られている苗は、小さな土植えのポットで売られていますが、種類も豊富でハイドロカルチャー向きの植物が多く、「実生みしょう」と呼ばれる種から発芽はつがさせたものです。

この実生苗というのはなかなか入手困難なのですが、それが100均で入手できるというのは盲点でした。おすすめです。

挿し木の水差し

植物を剪定せんていした枝を水差しにして発根させたものです。樹木系の植物であれば時間は掛かりますが、わりと簡単にできます。ホームセンターの植物コーナーなどに置かれている鉢植えは、この方法で増やしたものが多く見られます。

水差しで発根させた苗木の一番良いところは、成長が早いことです。実生苗から育て始めると初めての花を咲かせるのに4〜5年かかる植物が多いですが、一度花を咲かせた植物から剪定し水差しで発根し植え付けた植物は、1年目から花を咲かせます。

日常管理に必要な道具

好みの植物を植え付けできたら日常的な管理が必要です。おもに水やりと肥料ですね。

メネデール

日常の水やりや水差しなど、植物にあたえる水に入れる活力剤が「メネデール」です。

ハイドロカルチャーは土ではなく支持材を使って育てるため、鉢の中には何の栄養素も入っていません。肥料をあたえるにしても月に数回程度、冬場は一切あたえません。日常的におこなう水やりに「メネデール」を入れることで植物の成長を助けることが出来ます。

活力剤である「メネデール」は、植物の光合成を助け、水分や栄養分を吸収しやすくする効果があります。

taks
私もハイドロカルチャーの水やりには必ず入れています。

液肥

ハイドロカルチャーで育てる植物にあたえる肥料は、液肥えきひになります。固形の有機肥料は、水を汚し水腐れを起こす危険があるため使えません。水を汚さない化学肥料系の液肥を使います。

液肥にも色々ありますが、おすすめは「ハイポネックス」です。水溶性で水に溶けやすく植物に必要な栄養素がバランスよく配合されています。適切な濃度に希釈きしゃくして使います。

まとめ

いかがでしたか?ハイドロカルチャーでの植え付けから日常管理までに必要な道具の紹介でした。

必ず必要な道具というのは、それほど多くはなかったのではないでしょうか。

部屋に緑があるとリラックス効果もあり、インテリアのアクセントにももってこいです。土を使わないハイドロカルチャーは、とても衛生的で空気清浄効果も期待できます。

植物が成長したり増やす楽しみもあります。ぜひお試しください。

スポンサーリンク