この記事では、ゲーミングチェアとオフィスチェアの違いを比較して、どういう使い方がゲーミングチェアをオフィスチェアとして使うのに向いているかを紹介します。
最近、長らく使っていた旧型のエルゴヒューマンベーシックの劣化が激しく、買い替えを検討しています。
長時間デスクワークすることが多いので、慢性的な腰痛もあり、姿勢を補助してくれるそれなりのレベルの椅子を検討していました。体に触れるものはケチるなとよく言いますよね。
デスクワークといえばオフィスチェアだろうと短絡的に思っていたのですが、最近になって、ゲーミングチェアも用途によっては十分使えるのではないかと気になるようになってきました。
ゲーミングチェアとオフィスチェアの違いを比較して、それぞれどういう使い方のときに向いているか検証してみました。
用途によっては、ゲーミングチェアを選んだほうが、良コスパで高級オフィスチェア並みの性能を手に入れることができます。
もくじ
ゲーミングチェアとは
見た目は、車のバケットシートに足をつけたような形状をした椅子です。
ゲーミングチェアというだけあって、ゲームをするために最適化された椅子という印象が強く、特にゲームをしない方から見ると、専用のオフィスチェアと比べておもちゃ感覚で見られることもあるかもしれません。
ところがゲームの世界も今や幅広く、プロゲーマーと呼ばれるゲームで生計を立てる人もいる時代です。
プロゲーマーほどではなくてもゲーマーと呼ばれるゲーム好きの方たちは、1日に何時間も椅子に座って過ごします。
ゲーミングチェアは、長時間に渡って同じ姿勢をキープし、マウスやキーボード、ゲームパッドなどのコントローラーを快適に操作できるように設計された椅子です。
使用状況や要求される性能は、オフィス作業で使うオフィスチェアにとても良く似ていますね。
ゲーミングチェアとオフィスチェアの違いを比較
一般的なオフィスチェアとゲーミングチェアとの違いを見ていきましょう。
シート形状
どちらも座面と背もたれの調整で体格に合わせて、最適なポジションに調整できる機能が搭載されています。
背もたれの角度、座面の前後・傾き、座面の高さ、アームレストの位置など、自由に調整することができます。
ゲーミングチェアの特徴は、頭の先まで伸びるハイバックと体を包み込むようにホールドしてくれるバケット構造です。
座面の太もも部分から、特徴的なハイバックシートによって、腰から肩まですっぽりと包み込んでくれます。
ここが、一般的なオフィスチェアとは考え方が違う部分です。
一般的なオフィスチェアでは、座ったときの姿勢やポジションを最適な位置に調整するところまでは同じなのですが、ゲーミングチェアのように、すっぽりと体が固定されるような形状にはなっていません。
オフィス用途では、デスクワークをメインとする仕事でも、会議やコピー、書類の処理など、意外と立ったり座ったりの移動が多いものです。
一般的な事務職では、何時間も座ったままということ自体少ないため、オフィスチェアは、立ちやすさ座りやすさ、周りとの書類のやり取りなどの動きやすさも考慮して、体を固定するというより自由に動ける形状になっています。
ヘッドレスト
ハイバックタイプのゲーミングチェアには、ほぼヘッドレスが付属しています。
ゲームをするときは基本的に、正面のモニターを見ながらゲームパッドなどを操作するため、頭を下げることがほとんどありません。
若干リクライニングした姿勢で、長時間操作することもゲームの大きな特徴です。
リクライニングした姿勢では、首を持ち上げないと正面のモニターを見れないため、とうぜん首に負担がかかります。
ゲーミングチェアのヘッドレストは、オフィスチェアに比べて使用頻度が高く、かなり重要な要素の一つです。
一方オフィスチェアでは、頭を下げて手元を見る作業やノートPCでモニター位置が低く目線を下げる場合が多いため、ヘッドレスト自体がない場合が多く、ローバックタイプが一般的です。
オフィスチェアでヘッドレストがついたハイバックタイプは、高級モデルになることが多いですね。
ランバーサポート
ランバーサポートは、座ったときに丸まってしまいやすい背骨と骨盤の位置を、自然なS字カーブを描いた状態に保ち、腰への負担を軽減してくれます。
一般的なゲーミングチェアでは、格安メーカーや格安のエントリーモデル以外は、ランバーサポートも付属していることが多いです。
ゲーミングチェアのランバーサポートの特徴は、ヘッドレスト同様に作りがかなりしっかりしています。
長時間座っていることを前提に作られているため、厚みやクッション性も充分にあり、座面や背もたれの調整で、どんな体型にも合わせやすいように工夫されています。
オフィスチェアの場合は、オプションになっている場合が多く、高級チェアにのみ調整式のランバーサポート機能が組み込まれていることが多いようです。
人気のメッシュ素材の椅子などでは、メッシュの張りが弱く、十分に支えられない印象です。腰痛など腰回りの姿勢をしっかり維持したい場合には物足りなさを感じます。
アームレスト
ゲーミングチェアのアームレストは可動式で、ゲームパッドやマウス・キーボードなどゲームスタイルに合わせて細かく調整できるようになっています。
オフィスチェアでは、固定式もしくは設定自体がないものが一般的で、ゲーミングチェアと同じレベルの調整機能付きアームレストが付属するのは、高級チェアと呼ばれるレベルのものになります。
リクライニング
リクライニング機能が標準で搭載されているのも、ゲーミングチェアの大きな特徴の一つではないでしょうか。
オフィスチェアにも背もたれの角度調整機能はついていますが、大きくリクライニングできるのは、やはり高級モデルに限定されます。
一般的なオフィスチェアは、リクライニングではなく、ロッキングと呼ばれる体重をかけると傾き、起きると自然ともとに戻る機能がついています。
ゲーミングチェアのリクライニング機能は、車のシートのように倒した状態で角度を固定できる完全なリクライニング機能ですが、メーカーやグレードによってリクライニングできる角度に差があるので注意が必要です。
ゲーミングチェアはオフィスチェアの代わりになる?
ゲーミングチェアとオフィスチェアの特徴を考えると、使用目的によっては、十分代わりになります。
オフィスチェアは、文字通りオフィスでの事務作業のように、頻繁に立ったり座ったりを繰り返す作業や、写真や映像の撮影を外で行い、デスクでの作業は数時間の画像処理や編集など、極端に長時間体を固定する必要がなく、立ったり座ったり、右へ左へ広い範囲を動き回る使い方に向いています。
ゲーミングチェアは、ゲーマーのように長時間にわたって座り続ける必要がある作業に向いています。
たとえば作家やイラストレーター、プログラマーなど、一度座って作業を始めると、何時間も同じ姿勢を続ける必要がある使い方です。
太股部分から腰、肩周りまで、体をしっかり固定してくれるので、長時間の使用したときの体への負担は、かなり違ってきます。
おすすめの選定基準
仕事で使う場合は、上記の基準で選ぶと良いと思いますが、最近流行りの副業ベースで考えると、本業が終わって帰宅したあとの時間と休日の間だけしか使わないことになります。
極端に長時間使用するわけではないので、見た目や座り心地など好みのものを選んで問題ありません。
選定基準にコスパを考えた場合、主流価格帯5万円前後のゲーミングチェアをおすすめします。
このクラスのゲーミングチェアの機能は、10万円超クラスの高級オフィスチェアに匹敵します。
使用用途や見た目、高級オフィスチェアへのステータスなどに問題がなければ、かなりおすすめです。
逆に格安ゲーミングチェアは、ヘッドレストやランバーサポートなどの設定がないかオプションとなっていることが多く、見た目以外は一般的なオフィスチェアとあまり変わらない印象です。