この記事では、メルカリやヤフオクなどの個人売買・譲渡時の防犯登録について解説します。
店舗で購入する場合は、お店が防犯登録をしてくれることがほとんどなので、あまり気にすることはないと思いますが、通販や個人売買、人から譲ってもらうときは、どうしたら良いのかよく分からないということはありませんか?
「面倒くさいからそのままでいいや」と、登録をせずに乗っていると、最悪の場合は窃盗罪に問われるかもしれません。
自転車の防犯登録は、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的促進に関する法律」第12条第3項により、「自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録を受けなければならない。」と規定し、義務化されています。
前所有者が防犯登録をしたままの状態で譲り受けた(または個人売買で購入した)自転車をそのまま乗っていると、登録上は前所有者のままですので、もし盗難届を出されてしまうと最悪の場合は窃盗罪となってしまします。
人から譲り受けた、または個人売買で購入したときこそ、忘れずに防犯登録をしておきましょう。
もくじ
防犯登録に必要な書類
防犯登録に必要な書類は、入手方法や登録する都道府県によって細部で違いがありますが、共通して必要なものは以下のものになります。
- 自転車本体
- 販売証明書(保証書)または、譲渡証明書
- 身分証
- 防犯登録料
自転車本体は、当然必要です。書類だけ持ち込んでも受付けてくれません。車体と書類を照らし合わせて、間違いがないか確認されます。
販売証明書は、通販・インターネットなどで購入した場合に必要になります。防犯登録は基本的に、現在居住している県で登録する必要があるため、インターネット販売店では登録してくれません。
「販売証明書」という書類をつけてくれる場合もありますが、購入した自転車の保証書や領収書でも代わりにできます。
保証書や領収書を販売証明書の代わりにする場合は、メーカー名、モデル名、車体番号などが登録に必要なため、別途記載が必要になります。
譲渡証明書は、メルカリやヤフオクなどの個人売買や個人間で譲渡する際に必要になります。各都道府県の自転車防犯協会にダウンロードできる書類があります。決まった書式はないので、必要事項をもれなく記載できていれば、手書きでもOKです。
登録する県によっては、前所有者の防犯登録抹消が完了していないと新たに登録できないというところがあります。その場合は、前所有者の廃車証明書が必要になります。
この廃車証明書も、都道府県によって対応が様々で、前所有者の委任状があれば廃車・登録できるところもあれば、正式な譲渡証明書だけで廃車・登録までしてくれるところもあります。また、前所有者の登録カード控えを一緒に譲り受けていれば、譲渡証明書・廃車証明書の代わりになるという県もあります。
登録する都道府県自転車防犯協会で、確認しておきましょう。
防犯登録をする場所
店舗での購入、インターネット通販、メルカリやヤフオクなどの個人売買、知り合いからの譲渡など入手方法は様々です。
店舗での購入は、購入した店舗で防犯登録までしてくれるところがほとんどですが、店舗以外からの購入の場合はどうでしょう。
じつは、それぞれの入手方法に応じて防犯登録を受け付けてくれる場所は、微妙に違っていることがあります。各都道府県の自転車防犯協会によっても違いがあります。
いくつかの都道府県をピックアップして、防犯登録受付場所を一覧にしてみました。
入手場所 | 東京 | 大阪 | 名古屋 | 福岡 |
---|---|---|---|---|
店頭で新品を購入 | 自転車を購入した 自転車販売店*1 |
自転車防犯登録所 (自転車販売店)*2 |
自転車防犯登録所 (自転車取扱店) |
自転車を購入した 自転車販売店*1 |
店頭で中古を購入 | ↑ 同 上 | 自転車防犯登録所 警察署防犯係*3 |
↑ 同 上 | 最寄りの交番・駐在所 警察署内の防犯協会*4 |
通販・ネットで 新品を購入 |
自転車防犯登録所*1 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 |
メルカリ・ヤフオク などで個人売買 |
↑ 同 上 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 |
個人間で譲渡 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 | ↑ 同 上 |
*1:「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある自転車店・スーパー・ホームセンター等
*2:過去に登録のない新規で防犯登録をする場合。
*3:過去に登録済みのデータを抹消・変更が必要になる場合。
*4:店舗購入であっても中古車の場合は、「最寄りの交番・駐在所又は警察署内の防犯協会」で行う。
ほとんどの県では、自転車防犯登録所の登録をしている自転車取扱店で受付可能ですが、中には福岡県のように店舗購入の新車以外は、「最寄りの交番・駐在所又は警察署内の防犯協会」でのみ受け付けるところもあります。
自身が居住・自転車を使用する県の自転車防犯協会ホームページで、確認しておく必要があります。
防犯登録の注意点
自転車防犯協会のホームページなどを見ても記載はありませんが、実際に私がヤフオクで購入した自転車を防犯登録した際に経験した注意点をいくつか紹介します。
- 登録料はちょうどの金額を用意しておく
- 有効期限が10年
今回私が登録をした場所が、最寄りの交番だったためか、お釣りがないので近くのコンビニで両替する必要がありました。
店舗などの自転車防犯登録所の場合は、お釣りの心配はしなくても良いかもしれませんが、福岡県のように「最寄りの交番・駐在所又は警察署内の防犯協会」のみでしか受付窓口がない県の場合は、お釣りが必要ないように小銭を用意しておく必要があります。
一部の県では、防犯登録に有効期限があります。福岡県では10年の有効期限があり、登録から10年が経過すると再度登録し直す必要があります。
今回紹介している東京・大阪・名古屋の自転車防犯協会ホームページでは、有効期限の記載は見つかりませんでしたが、他の県でも同様に有効期限を設けている可能性があります。ご自身の居住する県の自転車防犯協会などで確認してください。
まとめ
法律で義務化されている防犯登録ですが、各都道府県によって金額や受付場所、必要書類などに違いがあります。
県をまたぐ譲渡や個人売買のばあい混乱してしまいますが、基本的に譲渡する側(販売する側)が、譲渡証明書と防犯登録済みの場合は廃車証明書または登録カード控えを用意すると覚えておきましょう。
自分が譲り受ける側(購入する側)のときは、忘れずに書類を請求しましょう。