ハイドロカルチャーに小さな羽虫が湧いたときの対処法3選!原因と予防法も解説

この記事では、ハイドロカルチャーで育てる観葉植物に不幸にも虫が湧いてしまったときの対処方法と予防法を解説します。
ハイドロカルチャーは土植えとは違い、害虫が発生しにくい育成方法のはずなのに、いつの間にか小さな羽虫が湧いてしまって困ったことはありませんか?
水の入れ過ぎで根腐れしてしまったり、夏場の高温で水自体が傷んでしまうと異臭を放つようになります。人間には感じないほどの僅かな臭いでも、気づかないうちにポット内に卵を生んで繁殖し極小の蠅のような害虫が発生することがあります。
発生してしまった害虫の駆除方法には、大きく分けて3つの方法があります。初期の対処法から大量発生してしまったときの方法まで、段階に合わせて対処方法を紹介します。
虫が湧いたときの対処法
害虫の駆除方法は、大きく分けて次の3つ。段階に合わせて難易度も上がります。
- 極初期段階・・・殺虫剤による駆除
- 頻繁に発生・・・洗剤水による洗浄
- 大量発生・・・・植え替えによるリセット
殺虫剤による駆除
害虫の発生が初期段階で数匹程度発生する場合の対処法は、殺虫剤を使います。キンチョールなどの一般的なスプレー式の殺虫剤で十分です。

ポットの表面から飛び出した害虫に殺虫剤を噴射します。ごく少量で構いません。小さな害虫には僅かな量で効果があります。
ポット内部に向けたり植物の葉になるべく当たらないように、ポット表面付近の虫にのみ吹きかけるように噴射するのがコツです。
この作業を害虫がいなくなるまで繰り返します。卵の状態では効果ないため、羽化するたびに直ちに駆除をする作業を繰り返します。
その間水やりを控え、用土内が乾燥する時間を長くとってあげるのも効果的です。水の傷み(藻や根腐れの腐敗臭)が害虫を引き寄せる原因ですので、乾燥させることで腐敗物を干からびさせます。
洗剤水による洗浄
見かけるたびに殺虫剤を散布しても一向にいなくならない場合、ポット内部に卵や幼虫が大量にいる可能性があります。本来であれば植え替えが効果的ですが、植替えをせずに駆除する方法として洗剤水を使う方法があります。
- ペットボトルに水を入れ、洗剤を数滴加えて洗剤水を作る
- 洗剤水をポットの縁ギリギリまで入れて数分おいておく
- 洗剤水を出来るだけ切る
- 2・3を数回繰り返す
- 最後は可能な限り徹底的に水を切り、元の場所に戻す
洗剤水は、ペットボトルを振って軽く泡立つ程度で十分です。濃すぎると植物の根を痛めてしまいます。害虫の卵も幼虫も呼吸をしています。洗剤を加えることで表面に皮膜をつくり呼吸をできなくして、窒息させます。
逃げ場がないようにポットの縁ギリギリになるまで注ぎ数分間放置後、洗剤水を排水します。これを数回繰り返します。
最後に可能な限り水を切って元の場所に戻します。
その後の水換えは、控えめにして乾燥気味に与えるようにします。

植え替えによるリセット
上記の方法で一時的な対処はできますが、虫を引き寄せる腐敗臭などの原因は取り除けません。大量発生時や根本的に原因を取り除きたい場合は、植え替えが最も効果的です。
通常行う植え替えは、根詰まりなどで成長が止まってしまったものを、鉢増しして大きく育てる目的で行います。なるべく根鉢を崩さず一回り大きな鉢に植え替えることが一般的です。
害虫駆除を目的に行う植え替えは、用土についた卵や幼虫を完全に除去するため、根鉢部分も崩し用土を完全に除去する必要があります。
- ポットから出す。
- 根を傷めないように慎重に用度を完全に取り除く
- 根腐れした根を除去する
- ポットを再利用する場合は洗剤でよく洗い殺菌する。
- 新しく用意した用土で植え付ける。
ポットから取り出す際に中にいる虫が出てくることもありますので、傍らに殺虫剤を用意しておきましょう。
根鉢部分を丁寧に崩し、用土を全て取り除きます。根が用土に活着している部分もあり、取り除きにくくなっています。できる限りで構いませんので、極力根を傷めないように丁寧に取り除いてください。
すべての用土を取り除くことができたら、植物にもよりますが、根腐れで変色した根や藻などが付着している根をカットして整理します。なるべく新しい根は残し、古い根から処理しましょう。
できれば新しい別のポットを用意します。ポットを再利用する場合は、洗剤でよく洗うことで殺菌をする必要があります。特に根腐れを起こしている場合、腐食菌などの雑菌がポット内に繁殖しています。水洗いだけでは完全な除去はできませんので、必ず洗剤でよく洗ってください。その後、完全に乾燥するまで乾かします。

用土は完全に新しいものと入れ替えます。通常の植え替えであれば、古い用土を洗浄して再利用することもありますが、害虫駆除が目的の場合は再利用はできません。
新しい用土とミリオンAにゼオライトなどの根腐れ防止剤を追加して植え付けます。
虫が湧く原因
害虫が発生しにくい育成方法であるはずのハイドロカルチャー。虫が湧いてしまう原因が何か気になりますよね。
虫が湧く原因は、実は日頃の管理方法に問題がある場合がほとんどです。
- 根腐れ
- 藻の繁殖
- 水腐れ
原因1:根腐れ
根が傷み腐食し始めると異臭を放つようになる根腐れ
という状態になります。人間には気づかないような異臭でも害虫は敏感に反応し、よってくるようになります。
根腐の原因は、水の与え過ぎです。前回与えた水がまだ残っているのにさらに水を追加すると、根が常に水に浸かった状態になってしまいます。
植物の根の成長には、肥料などの栄養と水、そして酸素が必要です。常時水に浸かっていると呼吸ができずに根が傷み、根腐れとなります。
原因2:藻の繁殖
透明なポットを使っているとポット内に光が差し込み、藻が発生することがあります。特に窓際など強い光が当たる場所で発生します。
藻が発生すると、観葉植物に与えた肥料などの栄養素が横取りされたり、植物の根に絡みつき栄養吸収の邪魔をするようになります。
藻が発生したまま長期間放置するといずれ枯れますが、ポット内で水に浸かったまま放置することで腐りはじめます。その結果、異臭が発生したり根腐れの原因になってしまいます。
原因3:水腐れ
水腐れの原因は、おもに根腐れと藻の繁殖です。腐れた根や藻が浸かっている状態のため、水自体が傷んでしまい異臭を放つようになります。
また夏場特有の問題として、与えた水がお湯になることで水が傷んだり、根にダメージを与え根腐れを引き起こすこともあります。夏場の水は痛みやすいものです。

一度害虫が発生すると、放っておいて自然といなくなることはありません。冬場でも卵の状態で越冬します。
虫がわかないための対策
害虫がよってくる根本的な原因は、根腐れや水の傷みなどの異臭です。どれも日頃の日常管理をしっかりとしてあげることで回避することができます。
- 水やりは適量をこまめに回数を多く。夕方以降に与える。
- ポット部分を遮光し、「お湯になる」や「藻が発生する」現象を予防する。
ハイドロカルチャーの水やりの基本は、鉢底から1/5〜1/3程度の水を与え、水がなくなってから1〜2日ほどおいて完全に乾いてから次の水を与えるというものです。
夏場は気温も高く植物も育成期で吸収が早いため、つい多めに与えたり鉢底の水がなくなりかけたら慌てて継ぎ足しがちです。こういった与え方は、根腐れや水腐れを引き起こしやすく、つねに湿った状態ですので藻も発生しやすくなります。
基本通りに「鉢底から1/5〜1/3程度の水を与える。水がなくなって1〜2日経過後完全に乾いてから次の水を与える」を徹底しましょう。
夏場は特に水の量を少なめに1/3以下にして、回数を増やすことで水が痛むのを防止しましょう。夕方以降の日没後に与えることで、高温でお湯になりやすいときの対策になります。

透明ポットに鉢カバーなどで遮光する方法も効果的です。ポット内に光を通さないことで藻の発生を抑えることができます。
本来植物の根の部分は、土の中で光が届くことはありません。外気温が高くても地面の中はひんやりとした温度を保っています。ポットを遮光し温度をあげないようにすることは、植物にとっても成長しやすい良い環境と言えます。
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